それでも君を
「どうしたの?元気ないじゃん。何か失敗でもした?」



私とは別の科で実習中の彼女。



あそこの教授は手強いという噂だ。



「…いや、そういう訳じゃ…」



そう呟いて顔をあげた彼女は、見るからに普段の様子とは違っていた。



「香織、顔色悪い。体調悪いんじゃないの?」



「頭痛い。寒い。」



私とは違って、自分の症状をはっきりと明確に口にする香織を少し尊敬する。



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