それでも君を
「先生、こっちです!」



スタッフステーションからでると、廊下の少し奥の方で、別の看護師が自分を呼ぶ声が聞こえた。



患者さんの容態が急変したのだ。



上の先生へと連絡を入れ、自分も駆けつけようとしたところの事故だった。



痛みを我慢して足早に病室へと入り、さっと観察を済ませて患者さんへと声をかける。



「すぐに楽になりますからね。ちょっと診ますね。」



明らかに苦痛の表情を浮かべている。

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