それでも君を
「これ、どういうこと?」



颯くんの冷静な声が診察室に響く。



「や、ちょっとぶつけちゃって…」



「うそだー。ちょっとじゃこんなことになんないー。」



余計なことを口に出す森谷先生。



「こいつ、免疫抑制剤飲んでる。」



颯くんからの素早い追加情報に、森谷先生が納得した表情を見せる。



「あぁ、そういうこと。…しかし、こんな腫れてて熱出てないってすごくない?」

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