それでも君を
「いや、ある。」



私じゃなく颯くんがはっきりと答える。



颯くんなんで分かるの!?



「え!あるんだ。全然辛そうにしないんだねー。…あ、いいものあるじゃん!計ってみよー!」



何?いいものって…?



ふと、森谷先生の方を見ると、おでこ付近でピッという電子音が聞こえた。



「37.9℃だって!」



はっ!やられた!



いつもの脇に挟むタイプの体温計じゃなく、こめかみ付近にて一瞬で体温を計られてしまう。



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