それでも君を
持っていたマグカップをテーブルに置き、心からの気持ちを込めてそう囁くと、真ちゃんも真っ直ぐにこちらを見つめて言葉を紡いだ。



「うん…。梨央が無事に退院してくれて嬉しいよ。」



「ごめんね、心配かけて…。」



申し訳ない気持ちに支配され、視線を伏せる。



「ううん。」



ふと真ちゃんの手が私の頬に触れる。



その手に誘導されるように顔を上げると、優しい顔の真ちゃんが瞳の中に映った。



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