それでも君を
「そうなんだね。」



残念ではあるが、その機会はまたすぐにあるだろう。



それより、誰もいないこの機会に恵那ちゃん自身の今の気持ちを聞いておくべきかもしれない…。



そう思って、一歩踏み込む。



「恵那ちゃん、急に入院することになってビックリしたよね。今は辛いところとかないかな?身体でも、心のことでもいいんだけど…?」



私の質問に考えるような仕草を見せた後、だんだんと顔が歪んでいき、恵那ちゃんの目からはポロポロと涙がこぼれた。



質問を間違えた、とその顔を見て思った。

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