それでも君を
不安じゃないはずがないのだ。



昨日まで普通に学校へ通って、部活もしていたらしい。



それが今日はよくわからないままたくさんの機械を付けられ、身動きすら出来ずに病院のベッドの上だ。



「ごめん、怖いし不安だよね…。」



そっと彼女の気持ちに寄り添い肩を擦る。



それに呼応するように、遠慮がちに私の白衣を掴み、弱々しい声で彼女の中にある大きな大きな不安を口にした。



「先生、あたし、死んじゃうの…?」



一瞬にして空気が凍る。



彼女の切実な訴えに息が止まりそうになった。


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