それでも君を
そう言うので近くの休憩スペースへと誘導する。



ふたり並んで腰を下ろしたところで、こちらから疑問を投げ掛けた。



「質問ってなにかな?」



「えっと…」



どうやら言い出しにくいことのようだ。



急かすことはせず、ゆっくりと大地くんの次の言葉を待つ。



「恵那のことです。僕たち夏休みになったら、遊園地に行く約束をしてたんですけど、もしその時退院してたら行ってもいいですか?」

< 420 / 604 >

この作品をシェア

pagetop