それでも君を
だからもう行け。



そう言われたわけではないけれど、振り返って見たマッキーの顔がそう言っていた。



「…ありがと。」

 

驚きつつお礼を述べると、“あんまり無理すんな”と小声で返ってくる。



そして見送りだろうか、ヒラヒラと手を振られる。



マッキー、私が今日颯くんのところへ行くって分かってるんだ…。



そんなマッキーに感謝しながら、私は颯くんの診察室へと急いだ。

< 474 / 604 >

この作品をシェア

pagetop