それでも君を
「さっ、梨央、行くよ!」


残っていた最後の授業が終わり、結愛が颯爽と私を迎えにきた。


授業の間に更に悪化した体調のせいで、動きが緩慢になっている私とは対照的に、すごく機敏な動きだ。



「いいよ、一人で行ける。結愛部活あるでしょ。」



「心配しないで!梨央を送り届けてから戻る!」



どうやら私に逃げ道は用意されていないらしい。



「大丈夫、逃げないよ。」



「梨央の大丈夫は、」



「あぁ、もう、わかったから。」



どんだけ信用ないんだ、私。



正直、もう言い争いをするのも面倒臭い。



潔く、とはいかないが、諦めてやんわりと立ち上がる。



重い身体を引きずりながら、私は結愛と共に学校を後にした。

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