それでも君を
しばらくそっと背中をさすってくれていた颯くんだったが、急にはっとして辺りを見回し出す。



何事かと思い、首をかしげる私。



「こんなところ水沢に見られたら…俺殺されない!?」



少しの沈黙の後、吹き出してしまった。



「ふっ、なにそれ。」



きっと笑わせてくれたんだよね。





彼が主治医でよかった。



本当に心の底からそう思った。

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