それでも君を
ピンポーン



「あ、ほらエレベーター来たよ!」



「え~!梨央先生ズルイ!」



3人でガヤガヤとエレベーターに乗り込む。



エレベーター内には先客がいたので、これ以上うるさくする訳にはいかず、私の話は運良くうやむやになった。



「はい、到着~!」



病棟に着いた途端、マッキーは看護師に呼び止められ別の患者の元へ。



あとは私も病棟の看護師さんにお任せするとして…



その前にひとつ、やっておかないといけないことがあった。



「恵那ちゃん、ひとつだけいい?」



ここだけは、間違えてはいけない。



「もう、しないよね?」



何を聞かれているのか恵那ちゃんも分かったはずだ。



「ご…めん、なさい。…ぜったいにもう、しない。」

 

ウルウルと目に涙を溜めて、私を見つめ返してくる恵那ちゃん。



< 551 / 604 >

この作品をシェア

pagetop