それでも君を
本当に違いますからっ!という先生の弁解を横目に、起こしていた身体をゆっくりとベッドへと預ける。



回復してきたとはいえ、体調はまだ万全ではない。



その様子を見ていた水沢先生から優しく声がかかる。



「疲れちゃいました?」



さすが、バカな話してても、ちゃんと観察してるんだな…



「大丈夫。でもちょっと休もうかな。」



「それがいいです。大分体調は良さそうですが、今朝もまだ微熱でしたからね。一回体温だけ測っておきましょう。」



こういう抜かりのないところ、医者の目線でみるとスゴイのだろうか?



私としてはそっと見逃してもらいたいところだ。



「もう、大丈夫って言ってるのに。」



文句を言いながらも体温計を受け取って挟む。



連日高熱だったお陰で慣れてしまい、もはや抵抗なく測ることができる。




ピピッ



取り出して確認すると37.9℃との表示。



「あれっ、上がってる。」



その言葉に水沢先生も横から覗き込む。



「…休む前にお薬飲んでおきましょうか。うーん、なかなか手強い菌ですね。」



はい、そうみたいですね。



「先生?私はいつになったら退院できるんでしょーか?」

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