それでも君を
結愛がこれだけ心配するのも、結愛にこれだけ信用されていないのもすべては自分のせいである。



一度、限界まで我慢して結愛の前で倒れたことがあるのだ。



その際に結愛は颯くんと連絡先を交換し、私を守る同盟を結成したらしい。



そのお陰で今、結愛に連れられて病院にいる訳だ。



結愛の気持ちはわかってはいるけれど、病気なのは私で、治療を受けるのも私なのだ。



私にも選択の自由があっていいはずだと思うのだが、それは間違いなのだろうか?



一向に答えがでなさそうな気配の難問に悶々と対峙していたのも束の間、隣の結愛に声をかけられて、はっと意識を現実へと戻す。



「梨央っ、呼ばれてるよ!」

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