それでも君を
心配だから、と言って付いてきてくれた先生だったが、参考書を選ぶ際にもアドバイスをくれたりと、付いてきてくれたのは心配だけではなかったのかな、と少しだけ思う。



実際、たくさんある中から選択するとなると、ひとりではなかなか決められなかったかもしれない。



先生がいてくれたお陰でサクッと買いたいものを買うことができた。



しかも、帰りも駅まで送ってくれて、なんだかデートみたいで嬉しいなーなんて思ったり。




「じゃあ僕はここで。帰ったら念のため、安静にして下さいね。異変があればすぐに連絡ください。」



「ほんとに大丈夫だって。どっちにしてもあと数日で受診日じゃん。」



と自分で言っておいて、嫌だなぁーとヘコむ。



「嫌でも逃げないでちゃんと来てくださいね。」



っ!見透かされてる!



「わ、分かってるって!」



「怪しいですねぇ。」



「そ、そんなことっ…」



サボるつもりはないのだけれど、改めて言われるとどうも動揺して返答が上擦ってしまう。



「待ってますからね。」


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