それでも君を
「体調はどうですか?あれから気分悪くなったりしてません?」



画面を確認していた水沢先生がこちらへと向き直り、質問を投げかけてくる。



「大人しくしてたからなってないよ。」



なんだか視線を合わすのは恥ずかしくて、少し俯きながら返答する。



「うん、良かったです。じゃあ、身体見させてもらいますね。」



ぐっと水沢先生との距離が近くなって、心臓がドキドキしだす。



なにをチェックされているのか私には皆目分からないが、腕や脚を確認した後、先生の手が首回りへと伸びてきた。



「少しだけ触りますね。」



ぎゅっと目を瞑って時間が過ぎるのを待つ。



あれっ、入院中は大丈夫だったのにな。



今日は診察されるの、ちょっと怖いかも…

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