ヒーローの宿命
もう一度事件の概要を確認した方がいいのかもしれない。
事件発生は6年前の11月21日。少年がナイフを持って歩いているという通報を受けた。通報場所に行くと、血だらけになった人たちが倒れていた。死者180名・重傷者90名・軽傷者70名・行方不明者500人の大量殺人として、世間に恐怖を与えた。その2週間後に上山真斗(当時8歳)が殺人の容疑者として捕まった。だが、いくら取り調べをしても主犯については何も答えてくれなかったそうだ。そして、この凶悪犯罪は1年後にまた現れた。今度は2ヶ所同時にだ。
死者は300人を超え、重傷者は100人を上ったそうだ。瞬く間に東京を恐怖の都にした犯人は、1年前と同じ小学生だった。今回は宮川 晴翔(当時6歳)と佐藤桜(当時7歳)の二人。
二人に面識はなく、共通点は誰かにいじめられていたことと川口翔流と知り合いだったことだけだったそうだ。そしてそのまた翌年、また事件が起こった。
事件発生は2月6日の午前7時。通勤ラッシュの真っ最中で駅前はとても混み合っていた。今度は西崎真琴(当時9歳)と秋原雅美(当時10歳)が同じ場所でナイフを持ったまま殺人を起こしたそうだ。死者は過去最高の600人、負傷者は200人いたそうだ。
そして今年、荒木翔太(11歳)が事件を起こした。時刻は午前7時丁度、幼なじみと何もかも比べられ恨みを晴らす為にその人の家までナイフを振りながら歩いて行った。だがこれが犯罪だということは重々と承知だったらしい。しかしそれに対する気持ちよりも恨みの気持ちの方が遥かに高かったのか、犯罪に手を染めてしまっていた。
6人のことを詳しく調べていると、新たな情報が出てきた。それは全員同じ幼稚園出身ということだ。そして幼稚園には川口翔流も通っていたことがわかった。
その幼稚園は先月潰れた秋南幼稚園だった。
(キーワードは秋南幼稚園か… 川口は一体何を しでかそうとしていたんだ‥‥)
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