世界で一番、不器用な君へ
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「カイ、タオル」
「あざす…ん、2枚ありますけど」
「…もらってなさそうな人に渡しておいて」
「…喧嘩したんすか、蓮先輩と」
鋭い後輩の指摘に、私は慌てて言葉をつなぐ。
「いや!そうじゃなくて…ていうか、私たちもともと仲良くないし。知ってるでしょ、カイも」
「…ま、早く仲直りしてくださいね」
それだけ言って、カイは行ってしまった。
あれから結局蓮に謝らないまま時間は過ぎて…
蓮も、私に何か言ってくることはなくなった。
お陰で女子達の目線は気にしなくてよくなったけど…
やっぱりよくないよね、部活にまで支障をきたすなんて。
後輩にまで、気を遣わせて。
「一花」
「うわあ!」