世界で一番、不器用な君へ


そうは思ったものの、なかなかうまくいかず…


「はあ…」


「もーあんたも意外と強情よね」


楓が呆れ顔で言う。


ていうか元はといえばみんなが騒いだから…!


いや、でも前にだってこういうことは少なからずあったわけで、でも全然気にしてなかったというか…


…なんでこんなにこじらせたんだっけ。


「で、どんくらい話してないの」


「…1週間以上」


部活も、最近は蓮が残ってても声をかけない。


鍵をこっそり体育館の入り口に置いて帰る日々が続いてる。


「ま、あんたたちが喋んないと平和だけどね、言い合わないから」


「…はあ」


「ため息つきすぎ…話したいならさ、話しなよ。蓮は別に怒ってるとかじゃないんじゃない?」


どうだろう。


あたったくせに謝りもしない私なんて、もう関わりたくないって思ってるかも。


目すら合わせてくれない。


「よし、今日こそ!今日こそは謝る」


拳を握りしめて強くそう決心した。

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