世界で一番、不器用な君へ
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「はい次!」
ホイッスルを吹き、部員たちがメニューをこなす。
私はあまり考え事をしたくなくて、頭の中でグルグルとメニューを回した。
これが終わったらドリンク作って、乾かしてるユニフォームとりこんで…
「お、やってんなあ」
頭の上に重みを感じて、私は思考を停止する。
「…えっええ!?」
「よ、久しぶりだな、雨宮」
そこにいたのは、卒業したはずの先輩が…
「わー!先輩方〜!!」「久しぶりっす!会いたかったっす〜」「どうすか大学!彼女できました!?」
ポカンとする一年生を置いて、他の部員たちが一斉に詰め寄る。
「はは、話は後だ!練習中だろ!」「部活終わったらみんなでパーっと遊ぼうぜ」「おごってやんよ」
部員たちは目を輝かせて練習に戻る。
突然の訪問だったけど、先輩方の話を聞くのは楽しみだ。
私も少しだけ胸を躍らせて、ドリンクを作るために体育館を出た。