世界で一番、不器用な君へ
鼻歌を歌いながら、蓮のお母さんは一階へと下りていった。
「お前、先入れよ。姉ちゃんの服貸すから」
「あ、うん。ありがと」
蓮がタンスの中を見ている間に、携帯を開く。
「えっ」
「うおっ…なんだよ、でかい声出して…」
「あ、ごめん、先輩からメッセージきてたから」
びっくりして、思わず。
“無事家にはついたか?大丈夫?”
短いメッセージ。
それでも、こんなに心が舞い上がる。
『迷惑と、ご心配おかけして本当にごめんなさい…( ; ; )大丈夫です!わざわざありがとうございます(^_^)』
誤字脱字をチェックして、送信ボタンを押す。
「…ニヤニヤしすぎ」
「いて」
コツン、と頭を小突かれて、服を渡された。
「してないもん!」
「ばーか、鏡見てから言えよ」
う、そんなに?