世界で一番、不器用な君へ


「もう一花ちゃんほんとに可愛い!お嫁に来てくれてもいいのよ?」


「あはは〜そういう蓮ママの方がかわいい!」


いつのまに打ち解けたのか、すっかり仲良しモードだ。


俺が怒ってることは無視か?


「もう、いつまでムスッとしてるの!」


母さんに軽く頭をはたかれ、理不尽さにため息が出る。


「蓮〜ごめんってば〜」


全然反省してない。


「あのなあ、俺だから良かったものを…」


お前のことを思って言ってやってるっていうのに…


「あっ大丈夫、エロ本とかはみてないから」


母さんに聞こえないようにコソコソそう言ってドヤ顔で親指を立てる一花に、本日2回目のため息が出る。


なんか、もういい。バカバカしくなってきた。


「だいたいお前は寝相が悪すぎんだよ。寝顔もブスだし根っからのゴリラだな」


「ちょっなによ!!人が気にしてることを!」


「こら!蓮!女の子になんてこと言うの!」


さっきよりも強い力で、母さんに頭を叩かれた。

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