世界で一番、不器用な君へ


「あああ!もう他の人に誘われてたらどうしようっ…」


「あーもうそんなこと言ってるからいつまで経っても誘えないんだろ!」


「だって…」


先輩の優しい顔が頭に浮かぶ。


「もし申し訳なさそうに断られたりしたら…」


今までなんとか隠してきた気持ちが、バレてしまったら。


多分、今まで通りじゃなくなる。


ポン、と頭に掌が乗って、雑にグシャグシャとかき回される。


「もし断られたら、俺が一緒に行ってやるから」


「蓮…」


知ってるよ。


「一緒に行く人いないの…?」


「うるせーよ!」


本当は誰よりも優しいってこと。



ありがとう。

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