世界で一番、不器用な君へ
「おいひ〜!」
「ふはっ、よかった」
たこ焼きを頬張る私を、優しい顔で覗き込む大和先輩。
「先輩も、食べます?」
「ん、ちょうだい」
先輩はそう言って口を開ける。
これは…
あーんってこと!?
私は震える手でたこ焼きを先輩の口まで運ぶ。
「ん、うまい。お祭りの力って不思議だよな」
「…はいっ」
お祭りパワーで、先輩がいつも以上にキラキラしてかっこよく見えます…
「お、射的やってる。行ってみよ」
先輩に腕を引かれ、射的の屋台の前まで行く。
「2人で」
「はいよっ」
「せ、先輩!私できませんよ〜」
「大丈夫、俺が教えるから」