世界で一番、不器用な君へ
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「あーあ、なにが悲しくて男なんかと祭りに…」
「うるせえな、どうせ暇だろ?」
隣で嘆く浩平を軽く肘で押す。
「へーへー俺はお前と違ってどうせモテませんよっ」
「ひがむなよ…」
綿あめなんて食べて。女子かお前は。
「てっきり俺は蓮は一花と行くと思ってたのによー」
「は?なんで俺が。プライベートまであいつのお守りしなきゃいけねえんだよ」
「だってこの前だって一花のこと守ってたし…本当は大事にしてんだろ?」
俺が?あいつを?
「…まあ友達としてはな。あいつ危なっかしいし。免疫ないから」
「保護者かよ…」
「あれっ、先輩たち?」
声をする方に顔を向けると、カイがひらひらと手を振りながらこちらに近づいてきた。
「男2人とか…寂しいっすね」
哀れみの目を向けてくるカイに俺は一発蹴りを入れる。
「なんだよっお前は女子とかよおお」
「浩平さんウザ…クラスのやつとですよ。混ざります?女子も喜びますよ」
「んーいや俺らは…」
「ていうか蓮先輩、マネージャーと一緒じゃないんですね」