世界で一番、不器用な君へ


***


「あーあ、なにが悲しくて男なんかと祭りに…」


「うるせえな、どうせ暇だろ?」


隣で嘆く浩平を軽く肘で押す。


「へーへー俺はお前と違ってどうせモテませんよっ」


「ひがむなよ…」


綿あめなんて食べて。女子かお前は。


「てっきり俺は蓮は一花と行くと思ってたのによー」


「は?なんで俺が。プライベートまであいつのお守りしなきゃいけねえんだよ」


「だってこの前だって一花のこと守ってたし…本当は大事にしてんだろ?」


俺が?あいつを?


「…まあ友達としてはな。あいつ危なっかしいし。免疫ないから」


「保護者かよ…」


「あれっ、先輩たち?」


声をする方に顔を向けると、カイがひらひらと手を振りながらこちらに近づいてきた。


「男2人とか…寂しいっすね」


哀れみの目を向けてくるカイに俺は一発蹴りを入れる。


「なんだよっお前は女子とかよおお」


「浩平さんウザ…クラスのやつとですよ。混ざります?女子も喜びますよ」


「んーいや俺らは…」


「ていうか蓮先輩、マネージャーと一緒じゃないんですね」

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