世界で一番、不器用な君へ

よかった、いつもの、蓮だ。


「あとさ」


「うん、なにー」


「俺がお前のこと好きって言ったの、本当だから」


「あー…えっ！？」


思わず横を向くと、すぐ近くに蓮の顔があって。


真剣な眼差しに、射抜かれたように私の体は動かなくなる。


「だから、もう応援もできない。誰にも渡したくないから」


これは、現実？


サラリと蓮の口から出てきた言葉が、ふわふわと浮いている。


「…無理」


「は？」


「そんなこと、急に言われたって、無理！」


言葉が無意識に口から飛び出す。


そうだよ、そんな、突然すぎるよ。


あんなに、からかってたくせに。


あんなに、応援してくれてたくせに。


「じゃあ今までのは嘘だったの？」


「それは…」


「もう、今は蓮の言うこと信じられない」


これ以上、そばにいたらダメだ。