世界で一番、不器用な君へ


「あれっイケメンがいるー」


恵里さんの声に鍵をかけて振り向く。


「や、大和先輩!?」


「ごめん、一緒に行こうと思って」


後でって今だったの!?


「ふーん、なるほどね。じゃ、私はお先に〜」


ニコニコしながら恵里さんは手を振って行ってしまった。


長い沈黙が、私たちの間に降りる。


何、話せばいいんだろう。

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