世界で一番、不器用な君へ


真剣な眼差し。


でも、どこか、いつもと違う。


「もう、あんなことは絶対に起きないから」


「え…」


「だから、もう一回、一花と2人でどこかに行きたい。誘ったら、一花は困る?」


体温が、ブワッと上がる。


だって、そんなの。


都合良く受け取ってしまう。


「…行きたい、です」


私の言葉で、先輩の顔が笑顔になる。


心の底から安心して、嬉しそうな顔。


先輩のそんな顔、初めて見たから。


今までずっと一緒にいたのに、初めて。


先輩、私、先輩のこと大好きなんです。




先輩は、私のことどう思ってますか?



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