世界で一番、不器用な君へ
「ふぅー」
恵里さんと別れて、湯冷ましにプラプラと廊下を歩く。
「マネージャーーーーーーー!!!!」
叫び声が、すごい速さで近づいてくる。
後ろを振り向くと、一年のソウとアキがこちらに向かって走ってくるのが見えた。
「コラァ!走るなっつってんでしょ!」
私の声に、二人は急ブレーキをかける。
「一花先輩、浴衣似合いますね」
その後ろから相変わらず読めないカイがダラダラと歩いてくる。
「マネージャー、アキを助けてやってください!」
なにやら真剣なソウと、ひたすら泣いているアキ、ダルそうなカイ。
「えっと…とりあえず状況を説明してくれる?」