世界で一番、不器用な君へ


「言わない、よね?」


「さあ、どうかな?」


いつも可愛げがなくて横暴なヤツに、こんな焦った顔をさせることができる日がくるなんて、人生捨てたもんじゃねえな。


「ちょ、ちょっとまってよ!蓮、いや蓮様!お願いします、このことだけは!!」


「じゃ、また明日学校でな!」


俺は満面の笑みで手を軽く挙げ、背を向ける。


「そんなっ…いやあああああ!」


絶望の叫びを背に浴びながら。

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