世界で一番、不器用な君へ


***


最悪だ。


本当に、最悪なことになった。


ちょっとでもいいやつかも、なんて思った私がバカだった。


アイスも、抱きしめて慰めてくれたのも、全部このためだったんだ。


…世界で一番嫌なヤツに、弱みを握られるなんて!!!


「ちょっと、一花、ため息つかないでくれる?ご飯がまずくなる」


ああ、いっそのこと楓に全部言ってしまいたい。


でも大和先輩のことが好きだっていうのは、本当に誰にも、楓にすら言ってなかったことだから。


どうしたらいいの…!!!


「いーちっかちゃん」


気持ち悪いほど機嫌のいい声、肩に回された腕。


振り返るのすら恐ろしい。

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