世界で一番、不器用な君へ
「なんか久しぶりだな、2人は」
「そうですね、中学以来?」
「なんか寂しいな、可愛い後輩が離れてくみたいで」
ふざけたようにそう言って、先輩の大きな手が私の頭を軽く撫でる。
「とか言って、離れてくのは高校入って更にモテモテになった大和先輩の方ですけどね〜」
先輩はモテる。
中学の時からそうだったが、その時はユカさんがいたから。
高校に入ってからの人気は本当にすごい。
イケメンランキング1位は何故か蓮で、それは納得できないけど、でも先輩の優しさに触れればみんな気づく。どうしようもなくこの人がかっこいいってことに。
だけと先輩は告白を全て断っている。
それはやっぱり、ユカさんの存在なんだろうな。
「違う、離れてくのは一花だろ。」
「…え?」
「高校に入って、キレイになったから」
私は慌てて下を向く。
暗くてよかった。…顔が熱い。
「はっ初めて言われましたよ、キレイ、なんて。蓮とか、私のことゴリラとか言ってくるし!他の男子も残念美人、とか男女とか…」