世界で一番、不器用な君へ
「入学した頃からかわいいー!とか美人ー!とかスタイルいいー!とかは言われてきたけど」
「自分で言うなよ」
楓はいちごオレを飲みながら冷めた目でこっちを見てくる。
てかいちごオレとかキャラじゃないなあ。
「でも残念美人?え、それってめっちゃバカにされてる?」
「まあそりゃそう思われてもしょうがないよね」
盛大にため息をついて、楓はいちごオレを勢いよく机に叩きつけた。
「まずその化粧っ気のない顔!え、ほんとになにもしてないじゃん。ちょっとはするじゃん?せめてリップとかさ」
「だってそんな朝早く起きれないし」
「ほんと、それでかわいいからムカつくわ。あと足!開きすぎ、パンツ見えるよ?」
「いいの、見せパンだし」
私は残っていたメロンパンを一気に口に入れる。
「あと!食べる量!!どんだけなわけ?今朝だよね?え、朝ごはん食べてきたんだよね?」
「だって減るもんは減るんだもーん」
授業中お腹鳴っちゃう方が恥ずかしいしね。
「ごちそうさまでし…うえっ」
突然の頭の重みに、思わず変な声が出る。