世界で一番、不器用な君へ
「まだアイツに告白するようなモノ好きがいるんだな」
最初こそ見た目だけでちやほやされていたものの、凶暴女の正体があらわになってからは男子にすら怯えられているのに。
「当たり前っすよ、一花先輩は人気ナンバーワンですから」
「…は?」
後輩の言葉に俺は自分の耳を疑う。
「一年の中じゃ一番人気ですよ、うちのマネージャーは」
「いやいやいや、ないだろ。2年の間じゃ可愛げがねえって恋愛対象外だぞ」
凶暴だし。残念美人なんて不名誉なあだ名までついて。
「…本気でそう思ってるのは蓮先輩くらいですけど」
「いや、だって一花だぞ?お前だって…」
「俺はいいと思いますけど?」
感情の読めない笑顔。こいつは本当に本心がわからない。
「蓮先輩も、何だかんだ言っていいと思ってるんでしょ。よく言うじゃないですか、好きなやつほどいじめたくなるって」