世界で一番、不器用な君へ


***


好き?俺が、一花を?


「…ちょっと、何よ」


「…いや、ないな」


「…今私の顔見ていった?」


「いってえ!足踏むなよゴリラ!」


まあ確かに顔面は整ってる。黙ってたら騙される奴も多そうだ。


だけど、醸し出される雰囲気が完全に女じゃない。あと行動。


朝カイに言われたことが気になっていたけど、やっぱりない。


こんな近くにいてもドキドキもなんにもないしな。


「ちょっと一花〜、またもらっちゃったんだけど」


購買で買ったパンを片手に楓はだるそうに教室に入ってきた。


「ってお前それ、ラブレター?すげえじゃん、モテモテ」


「私のじゃないっつの」


そういって楓は3枚の封筒を一花に向けて差し出す。

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