世界で一番、不器用な君へ


「そういえばキャプテン、体育祭の実行委員長になったってマジですか?」


カイの声に、私は思わず耳をそばだてる。


「ん?ああ、そうなんだよ。部活忙しいから無理って言ったんだけど、引いてくれなくてさ」


「うわあ、ご愁傷様っすね」


「カイ、お前もやれよ?先輩命令だからな?」


「嫌っすよめんどくさい」


…これは、まさか!チャンスなんじゃ!?


叶わないのなんて知ってる。


でも、もう逃げないって決めたんだ。

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