世界で一番、不器用な君へ


***


「じゃあ今日は体育祭実行委員をきめまーす」


次の日の放課後、クラス委員長の言葉に、全員が目を逸らした。


文化祭と並んで大きな行事である体育祭。


実行委員も花形なわけで人気と思いきや、仕事量の多さと意外と目立たないことで、そのことを知らない1年以外には不人気だったりする。


ぶっちゃけ応援団の方が目立つし。


でも今回は…


「はいっ!私やりたいです!」


「えっ、なにあんたやるの」


前の席の楓が驚いて振り向く。


やるよ、そりゃ。


「はい、じゃあ女子は雨宮さんで異論ないですね?」


はーい、とクラス中から声が上がる。


よしっ、ひとまずクリア。


「では次、男子の方ですが…」

< 49 / 190 >

この作品をシェア

pagetop