世界で一番、不器用な君へ
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「じゃあ今日は体育祭実行委員をきめまーす」
次の日の放課後、クラス委員長の言葉に、全員が目を逸らした。
文化祭と並んで大きな行事である体育祭。
実行委員も花形なわけで人気と思いきや、仕事量の多さと意外と目立たないことで、そのことを知らない1年以外には不人気だったりする。
ぶっちゃけ応援団の方が目立つし。
でも今回は…
「はいっ!私やりたいです!」
「えっ、なにあんたやるの」
前の席の楓が驚いて振り向く。
やるよ、そりゃ。
「はい、じゃあ女子は雨宮さんで異論ないですね?」
はーい、とクラス中から声が上がる。
よしっ、ひとまずクリア。
「では次、男子の方ですが…」