世界で一番、不器用な君へ


***


「あ、先輩、そういえば私も体育会実行委員になったんですよ!」


筋トレの後、タオルを渡しながらさりげなく大和先輩に話しかける。


「え、本当に?助かるな、一花がいてくれたら」


優しい笑顔に胸がキュン、と音を立てる。


「私、精一杯頑張ります!」


一後輩としか見られてないけれど、体育祭は私をアピールするチャンスだ。全力で…


「キャプテン、俺もやるんすよ」


頭に感じた重みと共に小生意気な声が降ってくる。


「ちょっと蓮!」


私はその腕を払いのけて睨みつける。

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