世界で一番、不器用な君へ


「蓮もか、頼もしいな」


「こいつがどうしても一緒にやってほしいってうるさくて」


「ちょっと、やめてよ!」


事実だけど!わざわざそんな風に言わなくたって…


「はは、ほんとにお前ら仲良いなあ」


「ちがっ…」


「ま、俺ら親友だもんな?」


笑う蓮の顔は完全に悪魔だった。


「へえ、ほんと仲良しなんですね、先輩方」


真顔で納得するカイに反論しようとするも、他の部員にまで冷やかされてしまって返すタイミングを失ってしまった。


私は無理矢理肩を組んでくる蓮の脇腹をつつき、


(助けなさいよ!)


と目で合図を送る。


しかし、こいつはどこまでいっても悪魔なのだ。


返ってきたのは口パクで「バーカ」、だけ。


本当にこいつってやつは…

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