世界で一番、不器用な君へ


なんの得にもならない。


ぶっちゃけ放課後に奢られるアイスなんかじゃ割に合わない。


でも、なんでか断れない。


一花の恋愛なんて、どうだっていいのに。


頭に、アイツの泣き顔が浮かぶ。


「あー!」


いつもは野蛮で、凶暴で。


なのに、あんな顔するから。


「蓮?」


声が、想像以上に近くて思い切り起き上がる。


「…特訓は?」


「もう終わった、どしたの1人で叫んだりして」

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