世界で一番、不器用な君へ


きょとん、とした顔で一花は俺の顔を覗き込む。


こいつ、俺の気も知らないで…


「…なんでもねえよ」


「そ?ごめんね、待たせて。続きしよ」


そう言って俺の手から紐を取り、くるくるとお互いの足を結ぶ。


俺の足の隣に並んだ一花の足を見て、驚く。


ほっせえ足。


こんなに、違うのか。


「…お前、何キロ?」


「は!?なっなに聞いてんのよ、答えるわけないでしょ!」


「…そんなんだから胸もねえんだよ」


「ちょっいきなり何なのよ!」


文句を言う一花の隣で、へんな違和感を感じる。


なんだ、これ。


俺は、何に動揺してんだよ。

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