世界で一番、不器用な君へ


「ま、委員会のことは蓮が自分で決めたんだから、そんな落ち込むなって」


「う、でも私が無理矢理…」


「親友、なんだもんな、お前ら」


ニヤニヤと明らかにからかい顔で浩平がこっちを見る。


「うっさい!あっ!わかった!浩平嫉妬してるんだ!蓮取られたから!」


「はっ!?お前気色悪いこと言うなよ!」


「先輩たちに言っとこ〜」


「やめろ!また彼女ができなくなる〜」


あはは、と笑ってチラリと体育館を見る。


ドアの横の棚に、蓮のバッシュの袋が置いてあるのが見える。


何時からいるんだろう。


やっぱり、根はいいやつなんだよね。

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