世界で一番、不器用な君へ
最初こそは多かったものの、蓮のために綺麗に髪を巻いてメイクをしていた女の子たちはどんどん減っていった。
マネージャーじゃなくて、ファンとして見学してた方がいいかとに気づいたらしい。
まあ結局私1人になっちゃったんだけど。
そんなある日、私はドリンクが大量に入ったカゴを両手に持って部室から体育館に運んでいた。
「重そうだね、持つよ?」
イケメンスマイルで声をかけてきたのは、そう、蓮だった。
「…大丈夫、慣れてるし」
「いやいや、でも女の子だから」
へえ、紳士なんだ。これは女の子にモテるわ。
そう、純粋な、とても純粋な私は思った。