世界で一番、不器用な君へ


「ありがとう、でも練習行って?」


だけど私も中学で3年間マネージャーをやってきたプライドがある。


選手に余計な負担はかけたくないし、女だから使えないって思われたくない。


「いいよ、無理すんなって」


「いやいやいや、本当にいいから」


引かない両者。


優しさはありがたかったけど、時間もない上に足止めを食らった気分でなんだかイライラしてしまって。


向こうも向こうでなんだか笑顔が引きつり始めてるし。


「いいから貸して…」


「あーもう!!うるっさいな!さっさと練習行けっ!」


思わず出てしまった声に、しまったと思った時は遅かった。

< 9 / 190 >

この作品をシェア

pagetop