クールな彼とちょっとドジな彼女の恋の攻防戦(後日談移動しました)
「うん、頑張って…」
私の態度に絵梨花も何か感づいたらしく、それ以上はもう何も言ってこなかった。
「ありがとう、絵梨花も頑張ってね」
「うん、ありがとう…」
「親睦会に出るお料理楽しみだな…じゃあね」
素っ気ない態度が後ろ目たくて、夜の親睦会を楽しみにしてると伝えたかった私は、口角を上げて笑う。
そんな私に、無理をして笑い返した絵梨花と別れ、デザイン部に急いだ。
「遅くなって申し訳ありません」
慌てるものだから、台車からマジックの入った箱が落ち、中からマジックがコロコロと転がっていく。
うわっ…やっちゃた。
「すみません…」
周りからの冷ややかな視線が痛い。
最悪…今日はパンツ丸出しに始まって、ついてないのかもと、拾いながら落ち込んでる私に、何本か拾ってくれた人の手に顔を上げた。
「…ありがとうございます」
「いーえ。莉子ちゃんは、相変わらずのドジっ子だね」
ニコニコと笑うチャラそうな男性は、絵梨花の彼氏の渡部さんだった。
受け取りながら
「もう、凹んでるんで言わないでください」
「ごめんね」
ニコニコ顔のその顔は、ちっとも悪いと思ってない。