クールな彼とちょっとドジな彼女の恋の攻防戦(後日談移動しました)
「笑って悪い…まぁ、誰にでもある失敗が、お前の場合よくあるって事だな」
どうも彼は慰めてくれているらしい。
「…そうみたいです」
「まぁ、お前のドジぶりはわかった。ブラウスが汚れたのも隣のワイングラスの近くにいたから、タマタマかかったんだよな」
タマタマと強調する辺り、小野寺さんがわざと溢した件は気がついてるって事らしいが、それ以上は、深く追求する気はないらしい。
そのあとは、大した話もなくマンションに着いた。
「あっ、明日の何時ごろ、お帰りですか?」
何の話だと首を傾げる向井さん。
「明日、接待ゴルフで朝からいないんですよね⁈」
「あぁ、あれ嘘だ」
はい⁈
悪びれる様子もなく、彼はエレベーターのボタンを押し扉が直ぐに開くと中に入っていき、早く来いと私に乗るように促す。
「嘘って…それなら、帰らずに親睦会を楽しんできてくださいよ」
文句を言いながら乗り込んだら、扉が閉まり上がっていく。
「あーいうの面倒くさいんだよ」
「面倒くさいって…桐谷さん、向井さんとお話ししたがってたじゃないですか?」
「あー、ああいうのは無理。俺は言い寄られるより、口説く方がいい。お前はどっち派?」
「そういうのどうでもいいです」
「へー、俺の見た目に靡かないし、ずけずけ言うし…だからなんだろうな」
一人で納得し意味深に言いながら、扉に背を向ける私に詰め寄る彼にたじろいだ時、チンと扉が開き、5階に到着。