クールな彼とちょっとドジな彼女の恋の攻防戦(後日談移動しました)
「残念、時間切れ」
突然の事に訳がわからず戸惑っていたが、なんとなく危機感を感じ、慌ててエレベーターを降りた私。
開ボタンをおしながら彼は苦笑しているが、私は、何が起こったのかよくわからない。ただ、悪い予感がしている。
「俺の部屋601号室だから、明日カレー作ったら持ってこいよ」
言葉も出なく、コクコクと頷くだけの私に、買い物してきた荷物を出してきたので、奪うように受け取ったら、「警戒し過ぎだろ」と、笑いながら呟いていた。
「ももじりっこのカレー、楽しみにしてるよ」
また…だとムカっとなる。
「もう、その変な呼び方やめてください」
「今朝の目に焼きついた桃尻にレースのパンツは忘れられないんだから、諦めろ」
「屁理屈言わないでください」
恥ずかしくて泣きそうになる私を見た彼は、あははは、と笑った。
「おやすみ…パジャマの裾はパンツの中に入れるなよ」
そう言って、ニヤッと笑った彼の前で扉が閉まっていった。
一言余計だって…
だが、彼がわざと茶化し、彼の撒いた危い雰囲気をほぐしたのだとわかり、笑ってしまう。
明日のカレーは、彼の分は激辛にしてやろうかと企んでいたが、中辛にしてあげようと私も、自分の部屋に帰った。