クールな彼とちょっとドジな彼女の恋の攻防戦(後日談移動しました)
まさか…と思うだろうが、私なら、まぁ、着替えぐらいはさすがにしたと思うけど、スッピンぐらいはありえるのだ。
急いで、着替えをする為に部屋に入ったが、服が選べない。
外見は素敵な人だが、今の私は恋愛対象として男性を見ていない。だけど、なんていうか、『女として終わってるな』なんて思われたり、『俺に気があるのか』なんて思われるのも嫌なのだ。
悩んだ末、当たり障りのないパーカーにジーンズをチョイスしたが、スッピン顔が悩ましい。
こういう時は、化粧していくものなのか?
わからない…
結局、眉だけ描いてあまり顔を見られないように、伊達メガネで顔を隠し、ボサ頭は、ブラシでといて肩下まである髪は、軽くお団子にした。
これぐらいなら、女として終わってると思われないだろうし、気があると思われないだろう。
納得いく格好で、キッチンへ戻った私は、自分の分のカレーを別の鍋に取り分けた後、炊けたご飯を、彼の食べるだろう分だけ大きめのタッパに入れ、ビールの6缶パックと一緒にビニール袋に入れる。
右手に重いビニール袋、左手に鍋を持った私は、彼の部屋に向かった。
彼の住む601号室のインターホンを押すと、しばらくして彼がでた。
「はい」
「桃寺です」
「なに?」