クールな彼とちょっとドジな彼女の恋の攻防戦(後日談移動しました)
あなたの為に洗濯物を干すより、カレーを作りを優先して、わざわざ届けに来たんですけど…なに?ってなんですか?
彼の愛想のない一言に、腹の中で煮え繰り返るのを我慢して
「カレーを作って来たんですけど、いらないなら帰ります」
ドアに背を向け数歩歩いたら、背後でガチャッとドアが開く音がした時、なぜだか私は、ニヤッと笑っていた。
「待てよ」
「なんですか?」
怒り顔を作り振り返ると、すぐ後ろで彼が立ち、ビニール袋をとりあげられようとしているところだった。
「悪い、俺の予定では夕方ぐらいだと思ってたから、昼ご飯に間に合うように持ってきてもらえるなんて思ってなかったんだよ」
「だからって、なに?はないと思います」
「…そうだよな…ほんとごめん」
両手を合わせて謝っているので、まぁ、許してもいいかななんて思っていたら
「でもな、昨日と印象がガラッと変わってるお前が悪い」
「私が悪いんですか?」
納得いかなくて、鍋を彼に渡して帰ろうと突き出したら、その手首を握られた。
「指…切ったのか?」
「あー、ちょっとだけです」
彼の心配顔に、ムカつきも消えていく。
「ちょっとって、まだ血が滲んでる。深く切ったんじゃないのか?」