クールな彼とちょっとドジな彼女の恋の攻防戦(後日談移動しました)

イヤイヤお邪魔した事も忘れて、うらやましい部屋の間取りにテンションが上がっていた。

「玄関の横のドア見てみー」

「…うわっ、広い。私のとこなんて浴槽の中、膝曲げて入らないといけないんですよ。足伸ばせるなんて贅沢です」

「そこな…ここの1K、十分満足できる部屋だったけど、難点が風呂だよ。身長ある俺だと狭すぎて無理だった。そしたら、上のこの部屋が空いてて、風呂見て即決めた」

キッチンにいると思っていた人が、背後から一緒になって浴室を覗いていて、昨夜のエレベーター内での距離を思い出し、ドキドキしだした。

わざと彼を押し退けて、キッチンへ行く。

「このダイニングテーブル、うちの[KZ]のパーツですよね。ここを折り畳んで小さくしたり大きくしたりできて機能的な木目板で、三角アイアンの脚。自分でDIYしたんですか?」

「あぁ、そのまま完成されて売ってる物でもいいんだけどさ、折角、パーツ販売もしている会社にいるんだから、自分の気に入った物を置きたいって思ってな。この部屋の家具のほとんどはDIYしてある」

なぜか、後をついてくるのでキッチンを離れ、仕切りのない隣の部屋へ。

「あー、あれもですか?」

テレビ台がはまっているTVボードも、よく見たら口テーブルをいくつも重ねて部屋の仕切りを作りお洒落な空間を作っていた。

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